東京都目黒区と鉄道
特別区23区の中で最も駅が少ないのが目黒区です。文京区と同様にJRの駅はありません。鉄道の路線で一番多いのは東急電鉄です。目黒蒲田電鉄株式会社として設立され、現在は高級住宅地として君臨する田園都市をいかに発展させるかが焦点となっていました。目黒と蒲田を結ぶ目蒲線を開通させるとその後発生する関東大震災の影響で被災した人たちがこぞって沿線に住み始めたことで沿線の人口は一気に増えます。これをきっかけに開発が進み、東急電鉄は全長100キロ近い鉄道路線網を構築していきます。目黒区にJRの駅がないのは東急電鉄の中心地だったためとも言えます。
目黒区の鉄道の歴史を振り返ると東急電鉄の歴史と重なる点がいくつもありますが、JRの駅にも目黒駅があります。この目黒駅は品川区に属しており目黒区にはありません。諸説は色々とありますが、どれも決定打にかけるものばかりです。その中でコスト上の都合でそうなったのではないかという説が有力です。1800年代の鉄道技術では目黒川を越えて鉄道を敷くよりもできるだけ一直線で線路を敷いた方がよりコストは抑えられます。そういうこともあって目黒駅は品川区寄りにできたというのが有力な説です。